第2章: 開発環境のセットアップとセキュア認証
2.1 前提環境の準備
Cloudflare CLIを操作するために、Node.js環境(LTS推奨: Node.js 20以上)が必要です。
# Node.jsとnpmのバージョン確認node -vnpm -v2.2 Wrangler のインストール
Wranglerはグローバルにインストールすることもできますが、プロジェクトごとにバージョンを固定できるローカルインストール(または npx)が推奨されます。
# プロジェクト内にインストールする場合npm install --save-dev wrangler
# バージョン確認npx wrangler --version2.3 認証方式の選択(ブラウザ認証 vs APIトークン)
CLIからCloudflareアカウントを操作する方法は主に2通りあります。
方式A: 個人PCでのクイック認証(wrangler login)
ローカル開発で最も手軽な方法です。
npx wrangler loginコマンドを実行するとブラウザが立ち上がり、Cloudflareへの認可画面が表示されます。「許可する」をクリックするだけで手元のマシンに認証情報が保存されます。
方式B: CI/CD・個人開発でも推奨の「APIトークン認証」
本番環境やGitHub Actions、または最小権限の原則を守りたい場合は APIトークン を使用します。
- Cloudflareダッシュボード > マイプロファイル > APIトークン に移動
- 「トークンを作成」をクリックし、「Edit Cloudflare Workers」テンプレートを選択
- 生成されたトークンを環境変数に設定
# ターミナルで一時的に設定する場合export CLOUDFLARE_API_TOKEN="your-api-token-here"
# .env ファイルに保存する場合(.gitignoreに必ず追加)CLOUDFLARE_API_TOKEN="your-api-token-here"2.4 接続テスト(wrangler whoami)
正しく認証が完了しているか確認します。
npx wrangler whoami成功時の出力例:
⛅️ wrangler 3.x.x-------------------Getting User settings...👋 You are logged in with an API Token, associated with the email 'user@example.com'!┌──────────────────────┬──────────────────────────────────┐│ Account Name │ Account ID │├──────────────────────┼──────────────────────────────────┤│ My Personal Account │ 1a2b3c4d5e6f7g8h9i0j │└──────────────────────┴──────────────────────────────────┘これでCLIを操作する準備が整いました。次章では、最初のステップとしてCloudflare Pagesへ静的Webサイトをデプロイしてみましょう。
💡 用語解説コラム
[!NOTE] APIトークン vs グローバルAPIキー
グローバルAPIキーはアカウント内の全操作が可能な強力すぎる鍵(紛失時のリスク特大)。対して「APIトークン」は「Workersの編集のみ」「特定のドメインのみ」といった最小限の権限(PoLP: 最小特権の原則)に絞って発行できる安全な認証手段です。
[!NOTE] 最小特権の原則 (Principle of Least Privilege)
セキュリティ設計において、プログラムやユーザーに対して業務上必要最小限の権限のみを付与する考え方。CI/CDに渡すトークンには不要な権限を与えないのが鉄則です。